工場設備の積層灯の監視とDX

皆さんこんにちは!㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当.Aです。今回は月2回の当社で実施している「製造業DX勉強会」で触れた「工場設備の積層灯の監視とDX」についてお伝えしたいと思います。

目次

積層灯とは

積層灯は、工業環境や製造現場などで使用されるライトです。英語では「Stack Light」と言います。パトカーや救急車の回転灯と似たような機器ですね。

一般的な積層灯は、円筒形または角柱形の筐体に取り付けられ、赤・青・黄色などの光を発します。これらの異なる色やパターンの光は、作業者に機械装置に関する重要な情報を伝えるために使用されます。機械装置の状態の表示、警告、通知、運転指示などを視覚的に示すための効果的な手段として広く利用されています。例えば、例えば赤は「緊急」、黄は「注意」、青は「インフォメーション」などの情報を伝えます。

積層灯の主な特徴と用途は以下の通りです。

多彩なカラーオプション

積層灯は通常、赤、黄、青、緑、白などさまざまな色の光を発します。各色は異なる状態やメッセージを表すのに利用されます。たとえば、緑は正常を示し、赤は異常や警告を示す場合があります。

パターンと点滅

積層灯は通知の重要度や緊急性を示すために点滅パターンやシーケンスを使用できます。例えば、高速で点滅することで緊急の停止を示すことができます。

視認性

積層灯は視覚的に目立つため、騒音の多い環境や遠くからでも状態を識別できる場所で特に有用です。作業者が機械やプロセスの状態を素早く理解し、必要な対応を取るのに役立ちます。

遠隔監視

積層灯は遠隔地からも監視できる場合があり、監視ステーションや制御室から工場全体の状態を確認できます。これにより、リアルタイムの情報収集が可能となり、迅速な決定を下すのに役立ちます。

工場のDX化ツールとしての積層灯

以上のように、積層灯は製造工程、機械装置の運転、製造ライン、安全性、緊急通知など、さまざまな用途で利用されます。例えば、製造ラインでの作業者に製品の品質を示し、警告を表示するために使用されます。

このように、工場内の情報を集約し積層灯の光により視覚的に情報を発信することで、工場内の状況を集約しリアルタイムで監視することが可能となります。これにより、工場内のIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進める上で、比較的コストも安く導入できるといった特徴があります。

以下に、当社で関わった工場内の積層灯の導入事例とそのメリットについて見ていきましょう。

積層灯×DX事例1: 生産ラインの異常検出

工場の生産ラインで積層灯監視によるDX化の事例として、センサーと積層灯が連動して作業者にリアルタイムの情報を提供するケースがあります。生産ラインに問題が発生すると、積層灯は点滅や特定の色を表示し、その情報は工場管理者にメールで送信されます。これにより、工場管理者は異常を素早く検知し、すぐに対処することが可能となります。これにより、生産ラインの停止や製品の品質低下を防ぎ、生産性を向上させています。

また、不必要な人員配置の削減や機械装置の中断時間が削減され、コスト節約につながります。

積層灯×DX事例2: エネルギー効率の向上

別の事例では、工場の設備のエネルギー効率向上に貢献しました。積層灯とセンサーが連動し、設備の稼働状態や電力メーターをセンサーでリアルタイムで監視します。センサーによりエネルギーの無駄遣いや不要な稼働を検出すると、積層灯を稼働させるようにし、作業員は都度、工場内の無駄を減らせるようにできます。

また、この結果、エネルギーの効率的な使用が可能となり、余計な設備の稼働や空運転も削減され、機械装置の寿命も延長されます。エネルギーコストと設備の買い替えコストの削減につながり、工場全体でのコスト効率が向上します。

積層灯×DX事例3: セキュリティとアクセスコントロール

ある工場では、セキュリティ強化のために積層灯監視を導入し工場内のDX化を進めています。人の熱や動きに反応するセンサーを設置することで、施設内の人の動きを検出し、想定していない人の動きに対して積層灯が警告を発するようにしました。これにより、工場内のセキュリティが向上し、不正アクセスや盗難のリスクが軽減されます。

このように、工場内の積層灯の導入は工場のDX化や生産性の向上に非常に効果的です。また、積層灯のセンサー監視は工場内にWEBカメラを設置するよりもコスト面で有利になる場合も多く、カメラを監視する人員も不要であり、中小製造業にとっては多くのメリットがあるといえます。工場内のリアルタイム監視の導入の際は、ぜひ、積層灯によるセンサー監視も視野に入れてみるといいでしょう。

また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当。エンジニアとしてから製造業のシステム開発をメインに幅広く業務に従事。C言語、C++言語を使った組み込み開発やPHPやJavascriptを使ったWEB周りの開発が得意。社内の事例を他のエンジニアからヒアリングし、社外向けにシステム開発と製造業DXや工場管理についての情報発信を実施中

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