製造業在庫管理その3:在庫管理システムを開発するメリット

前回、前々回と製造業における在庫管理の導入方法とExcelによる在庫管理について解説しました。

今回は、在庫管理の最終回として、在庫管理システムを開発する際のメリットや注意点について解説したいと思います。

目次

ゼロベース(スクラッチ)で在庫管理システムを作るメリット

当社の経験上、製造業でゼロベース(スクラッチと言います)から在庫管理システムを構築することのメリットは、主に3つあります。

自社にあったシステムの実現が可能!

スクラッチでシステムを構築することで、自社の特別のニーズとか、生産工程、在庫管理方法について、まるっと合致させることができます。既存のパッケージソフトではまず、できない、特定の要件や機能を組み込むことが可能なんですね。

他のシステムとの連携が簡単!

スクラッチで開発することで、既存の会計システム、生産管理システム、顧客管理システムなどなど、もろもろのシステムと、工場内の生産工程との統合やデータ連携が、かなりスムーズになります。

この結果、自社で開発することで、その他のデータ入力などの作業の削減のメリットもありますね!

コストの長期的な削減が見込める!

初期の開発費用は高いかもしれませんが、長期的にはライセンス料やサブスクリプション料が不要になるため、コスト削減につながることは、意外と結構あります。

また、パッケージソフトウェアをカスタマイズする場合、一般的には高額なオプションや費用が発生します。当社の経験上、このようなコストの削減にも、実はつながることがあるんです。

ゼロベースで在庫管理システムを作るデメリット

ただし、スクラッチから在庫管理システムを構築する際、いくつかのデメリットも存在します。

当社が考えている、主なデメリットは次の通りです。

初期開発コストと長い開発期間が必要!

自社の在庫管理に合わせた仕様の在庫管理システムの開発は通常、パッケージソフトを購入するよりも初期段階で多くの費用がかかってしまうのは事実です。

加えて、スクラッチ開発では、開発に要する時間がパッケージソフトに比べかかってしまうこともあります。

プロジェクト管理が面倒!

スクラッチ開発ではプロジェクトを管理したり、システム開発会社とやり取りするための人員が必要です。必ずしもIT技術やスキルが必要というわけではありませんが、現業と並行して作業が発生します。この点は、現業を行なっている従業員に、さらに仕事を割り振らないといけないので、難しい面だと思います。

バグのリスクがある!

非常に前年ながら、スクラッチ開発による在庫管理システムは、バグ、セキュリティの脆弱性、その他の技術的な問題を含む可能性があります。この点は、システム開発担当としては、全く内容に最善を尽くすのですが、100%ないと言うことは、残念ながら言えません。まあ、もちろん、パッケージソフトもこの点のバグや不具合は起こり得るんですがね。

維持管理が負担!!

在庫管理システムが稼働し始めてからも、定期的な更新、バグの修正、セキュリティパッチの適用など、継続的な維持管理が必要です。この点も、自社が管理する場合の面倒な点と言えると思います。

これらのデメリットも認識した上で、スクラッチでの在庫管理システムの構築の検討が必要となります。

どんな製造業者が在庫管理システムを、スクラッチで構築すべき?

私の経験から、工場内の在庫を管理したいと相談にこられた経営者とヒアリングを行った際、パッケージではなくスクラッチでシステムを構築する方がメリットが大きいと判断し、おすすめする場合もしばしばあります。

以下は、スクラッチで在庫管理システムを導入した方が、多くのメリットを受けられる製造業者や工場のケースです。

特殊な製造工程や在庫管理方法:

製造工程が非常に独特だったり、特殊だったりと、市販の在庫管理システムでは要件を満たせない場合は、スクラッチで在庫管理システムを構築した方がいい場合がけっこうあります。というのも、特定の製造工程、製品、または流通に特有の要件がある場合、そのうな状況をシステムに入力する必要があるからなんです。

例えば、最終製品として在庫を管理するのではなく、一部の溶接や塗装をしない仕掛かり在庫で在庫管理する場合などは、仕掛かり製品の状況や工場の最終工程の作業に応じて在庫管理データを管理する必要があります。こんなケースでは基本的にパッケージソフトでは対応は難しいようです。

柔軟性と拡張性の必要性:

少量多品種の在庫を管理する必要がある場合や、依頼元企業の要請に柔軟に対応できるような形で、部品を管理しなければならない場合、在庫データの管理の仕方も、都度、状況に合わせて変更する必要がしばしばあります。こんなケースでは、パッケージソフトよりも、スクラッチ開発の方が有利に働くことが多いですね。

長期的なコスト削減の見込み:

スクラッチ開発における初期の高い投資金額が、長期的に見てパッケージソフトのライセンス費用やサブスクリプション費用よりも割安になる可能性は、じつは結構あります。例えば、パッケージソフトの一部の機能しか必要ない場合など、その部分だけをスクラッチ開発で実現した方が、結果的に割安になることは多々あります。

特定の統合ニーズ:

導入済みの生産管理システムや会計システムなどのツールとのデータ連携や統合が必要な場合がこれに該当します。スクラッチ開発により、これらのシステムとスムーズに連携が可能となり、事務作業の削減につながります。

これらに該当する製造業や工場を経営されている場合、スクラッチでの開発を検討されてみるといいとおもいます!

在庫管理システムの構築に関する当社の事例

一昔前までは、在庫管理に使う端末は専用端末が主流でした。しかし、在庫管理システムの構築の要望のほとんどが、スマートフォンの活用です。

さらにRFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)を組み合わせることにより、手動で在庫数を入力せずに、商品をスマートフォンでなぞることで、数量を自動で入力することが可能となります。最近ではこのような先端技術を使った在庫管理システムのご要望もいただくことが多いです。

ユニクロのレジを思い浮かべて下さい。RFIDにより、レジ要員が介在しなくとも、商品の金額計算が自動でできています。また、スイカなどのICカードもRFIDの一種です。

以上が、製造業における工場内の在庫管理システムをスクラッチで構築する場合のポイントでした。
ゼロベースでのスクラッチ開発はなかなかハードルが高いと思うかもしれませんが、意外と金額的にも高くなく導入できるケースは多くあります。

一度、御社でも検討してみてはいかがでしょうか?

また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当。エンジニアとしてから製造業のシステム開発をメインに幅広く業務に従事。C言語、C++言語を使った組み込み開発やPHPやJavascriptを使ったWEB周りの開発が得意。社内の事例を他のエンジニアからヒアリングし、社外向けにシステム開発と製造業DXや工場管理についての情報発信を実施中

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