製造業の見積もりシステム導入のポイント

みなさんこんにちは。スクラムソフトウェア製造業DX担当のAです。

ところで、製造業にて、お客様からの要望に対して、高速で見積もりを提示することはお客様に満足してもらったり、失注しないようにするために、とっても大切です。でも、す早く見積書を提出しなければならないと言っても、どんぶり勘定で見積もりを作ってしまうと、後々、「生産コストに対して、受注金額が合わない!」なんてこにもなりかねません。

特に、現在は、原材料や人件費がたかくなったりして、生産コストがめちゃめちゃ増加しています。そのため、製造業者にはスピーディーに正確に見積もりを作成する必要が、これまでになく高まっていますよね。そのためにも、自社の生産に見合った、見積もりシステムの導入は非常に重要ですね。

目次

見積もりシステム選びに直結する、製造業に特有の見積もり方法とは?

他の業界に比べて、製造業での見積もりについては、業界特有の特徴があります。なので、この特徴に重点を置いて、見積もりシステムの導入を検討しなければならないんですね。以下に、注意すべきポイントについて、あげてみます。

注意点1:正確なコスト計算機能

製造コスト、材料コスト、労働コストなど、製品の生産に関連するすべてのコスト要素を、きっちり、すばやく、正確に計算できる機能が必要ですよね。日々かわっていく原材料の価格や外部の要因に柔軟に対応できるよう、すばやくコストを更新できる機能も重要です。

注意点2:カスタマイズと柔軟性:

製造業では、工場ごとに、ぜんぜんちがう製品だったり、工程だったりして、工場でのやり方は十人十色と言えます。見積もりシステムは工場の特定のやり方に合わせて、きっちり、カスタマイズできる必要があります。

例えば、同じ仕様でサイズの異なる製品シリーズに対応したり、同じ仕様の製品でも最終的な塗装の方式を後から柔軟に変更できるようにするなど、生産現場ではよくありますね。

変更がたくさん発生する製造業では、見積もりを迅速に修正できる柔軟性も必要ですね。

注意点3:統合と互換性:

既存の受注管理システムや顧客管理システムや会計システムと連携・統合も、実は、非常に重要だったりします。

というのも、見積もり書を作っても、同じ内容を販売管理システム、受注管理システム、会計管理システム、生産管理システムなどに、おんなじことをいちいち入力しなければならないなんて、二度手間、三度手間で、むちゃくちゃめんどくさいですし、間違いのリスクにもなりかねません!

そのため、データの一元化と作業の効率化は、とっても重要です!

注意点4:ユーザーフレンドリーで使いやすいこと

直感的に使いやすい操作画面はぜったいに必要です!これにより、従業員のトレーニング時間を短縮し、見積もりプロセスの迅速化を図れます。工場で働く若者だけが、システムを使って、職人のおじいちゃんが使えない!なんてことだと、システム化の意味も薄れてしまいますからね。。。

注意点5:過去の製品の仕様から類似の見積もりフォーマットを作成:

多品種少量生産の中小製造業者にとっては、見積書の作成は非常に大変な作業です。多くの場合、中小製造業者では社長が見積もりの作成や確認もやっているため、忙しい中での見積もり作成は本当に手間ですよね。

そのような場合に、過去の図面や仕様から、ある程度に多様な見積もりのフォーマットが作成できれば、見積もり作成の手間が省けますね。

見積もりシステムの選択肢

見積もりシステムにはおきく、パッケージ製品とゼロベースで制作するシステム開発があります。
それぞれのメリットデメリットを見ていきましょう!

パッケージソフトウェアの導入について

メリット:

  • 導入が早い!: パッケージソフトは既に開発されているため、導入までの時間が短い。
  • 低コスト!: スクラッチ開発に比べて、初期費用は安く、コスパが良い。
  • やっぱり安定性がある: 既にお客さんのところで導入実績が製品を選べば、信頼性はたかいですね
  • サポートもよい: 継続的なサポートやアップデートが提供される場合が多い。

デメリット:

  • 柔軟性がない!: 既存の機能に限定されてしまうんで、特定の業務に適合しないことはあります。
  • 追加費用がかかる!: カスタマイズや追加機能には別途、けっこうな追加費用が発生することは多々あります。
  • ソフトウェア販売会社への依存!: ソフトを提供する販売会社へ依存してしまうリスクはあります。

ゼロベース(スクラッチ)での開発

パッケージソフトではなく、ゼロからシステムを開発することを、IT業界ではスクラッチ開発と言います。ここではスクラッチ開発のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット:

  • 完全にカスタマイズ可能!: 自社のめちゃくちゃレアな仕様でも、完全に対応したシステムを構築できてしまいます。
  • 柔軟性!: 自社の成長や変化に合わせて、うまくシステムを拡張・調整できる。
  • 独自性!: 競合他社との差別化が可能で、ビジネス上の利点を発揮できますね。

デメリット:

  • お金と時間: スクラッチ開発はお金もかかり、時間もかかる。
  • 人員を配置する必要性: 開発担当者との窓口や仕様決定のため、どうしても人員は配置しなければいけません。
  • リスクの高さ: 新たに開発されるシステムなので、バグが潜んでいるリスクもあります。
  • 技術の陳腐化: 技術の進歩により、開発したシステムがすぐに古くなる可能性も否定できません。。。

両者をまとめると・・・

パッケージとスクラッチで、どっちにするか、、、これについては、工場でのやり方にどこまでシステムを合わせるかだったり、予算をどれくらい確保できるかだったり、ここら辺で、決定するといいんじゃないでしょうか。
パッケージソフトウェアは低コストで、サクッと導入できる一方、パッケージソフトをひとたびカスタムしようとすれば、スクラッチ開発よりも、がぜん高コストになる場合もありえます。

スクラッチ開発は自社の工場の独特のやり方に合わせた、自社にピッタリのシステムを作ってしまうことが可能です。あなたの工場で直面している具体的な課題だったり、目標だったりに従って、ベストなやり方を選択することが重要だと思います!

スクラッチで見積もりシステムを開発する際のポイントとは?

特に当社では製造業向けシステム開発を多くやってきたこともあり、見積もりシステムを開発する際に、失敗しないためのポイントについてお伝えしたいと思います。

スクラッチで見積もりシステムを開発する際には、以下のポイントに注意することが重要です。

スクラッチで失敗しないためのポイント1:システム会社選び

システム会社を選ぶ時、対応できる人員がいるのか(フル外注ではないか)、専門的知識はあるか、生産現場に精通しているか、見積もりシステムについて詳しいか、法人としての経営基盤は盤石か、などはかなり注意して選んでください。というのも、残念ながらシステム会社の中には社歴が浅く、フリーランスが独立したての会社で経営基盤がしっかりしていない場合なども、少なくないからです。

それと、相見積もりやその際の提案内容もしっかりしている会社をぜひ、選んでください。

スクラッチで失敗しないためのポイント2:やりたいことの明確化

具体的なやりたい事・実現したい事と、見積もりシステムの要件を明確に文章にかいてみましょう。どのような機能が必要か、どの業務を改善したいか、きちんと文章化するといいですね!

スクラッチで失敗しないためのポイント3:ユーザー中心の設計

ユーザーの視点から、見積もりシステムの設計で作ることが重要です。どんな画面がいいか、どんな機能がいいか、どんなデザインがいいか、極力、アイデアを出してください。特に、画面の使いやすさとか、直感的な操作性とか、効率的な入力方法だったりを重視することが重要です。

スクラッチで失敗しないためのポイント4:データの連携

既存の会計システム・生産管理システム・販売管理システムなどと、見積もりシステムのデータの連携はぜひ、考えてみてください。これにより、めんどくっさいデータ入力の手間が省け、データの一元管理が可能になり、作業効率が向上します。せっかくスクラッチで作るんだったら、この部分はぜひ、実現してくださいね!

スクラッチで失敗しないためのポイント5:メンテナンスとサポート

長期的にシステムをメンテナンスするためのやり方だったり、サポート内容だったりは、事前に確認してください。システムが出来上がって、運用し出した後、問い合わせやカスタマイズについて、どれくらいで対応できるのかについては、ぜひぜひ、事前に協議しておいてください。

以上が、当社の知見からお伝えできる見積もりシステム構築にあたってのポイントです。ぜひ、ご参考にしてください!

また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当。エンジニアとしてから製造業のシステム開発をメインに幅広く業務に従事。C言語、C++言語を使った組み込み開発やPHPやJavascriptを使ったWEB周りの開発が得意。社内の事例を他のエンジニアからヒアリングし、社外向けにシステム開発と製造業DXや工場管理についての情報発信を実施中

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