工場におけるIoTの活用

皆さんこんにちは!㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当.Aです。今回は月2回の当社で実施している「製造業DX勉強会」で触れた「工場におけるIoTの活用」についてお伝えしたいと思います。

目次

中小製造業とIoT技術

現在、日本の中小製造業は原材料費、燃料費、光熱費の高騰や人材不足の影響から、これまでになく、製造現場の生産性の向上と競争力の強化が求められています。そのような厳しい状況の中で、最先端のテクノロジーを積極的に導入することで状況の打開を図ろうとしている中小製造業者も多くいます。

そのような新たな取り組みをしている中小製造業者から、特に注目されているのが、IoT(Internet of Things)技術です。日本語に訳すと「モノとモノをインターネットで繋ぐ技術」となります。

このIoT技術を用いることで、これまで単体で動いていた工場内の機械装置は、稼働状況などをPCやサーバーにデータとして送信することで、PCやサーバーが機械装置の状況をリアルタイムに監視することが可能となります。

このIoT技術によって、製造現場や工場において、効率化、自働化、品質向上などの新たな価値をもたらす可能性を秘めています。本コラムでは、「工場」と「IoT」に焦点を当て、中小製造業者を対象に、IoTの革新的な利点と活用事例について考察してみたいと思います。

中小製造業のIoT事例

中小製造業におけるIoT事例について、いくつか挙げてみます。

事例1:機械設備のモニタリング

工場内の単体の機械装置にIoTセンサーを組み込むことで、設備の稼働状況や性能をリアルタイムにモニタリングします。機械装置の異常はPCやサーバー等が早期に検知し、担当者にメールやLINEなどでアラートを送信します。また、機械装置に取り付けたセンサーデータを活用して、故障やメンテナンスが必要な機器を予測することも可能です。これにより、予防保全を実施することができます。

事例2:生産ラインの最適化

工場内の機械装置だけでなく、機械装置と作業者の集合である生産ライン自体にIoTセンサーを取り付け、生産工程におけるデータを収集することができます。収集されたデータは、後から分析することで、生産ラインを効率化させ、無駄を削減します。

事例3:在庫管理

重量センサーを用いたIoT技術を活用することで、在庫品の重量を検知するセンサーを架台に取り付け、リアルタイムの在庫情報を収集することが可能です。さらに「在庫量がある下限を下回ったら自動的に発注する」といった発注ルールをシステムに組み込むことで在庫管理を自動化することも可能です。

事例4:品質管理

製品や部品の品質に対して、IoT技術を活用した温度・振動・音・サイズ・加圧などのセンサーによって、自動で検査をすることも可能です。また、最近では製品や部品の画像をAIが読み込むことで検査する手法も広まっています。

これらの自動検査技術により、製品の異常を検出し、不良品を排除して品質を向上させます。

事例5:省エネルギー

対象とする機械装置にIoTセンサーを取り入れ、電力の使用状況をデータ送信することで、エネルギー消費量をモニタリングすることが可能です。これにより、不要な照明や機器を停止することで、省エネにつなげることが可能となります。

事例6:遠隔監視

機械装置の稼働状況に連動した積層灯の点灯、点滅、発色をIoT技術を活用したセンサーでリアルタイムに監視します。例えば、機械装置に問題が発生すると設置した積層灯が赤く点灯する場合、赤く点灯したタイミングでIoTセンサーのデータをコンピュータが判別し、担当者へアラートを送ることが可能です。

このIoT技術を用いることで、遠隔地から工場の状態を監視することが可能です。また、問題が発生した場合、遠隔地でも対応できるため、生産の中断を最小限に抑えることが可能です。

まとめ

これら事例で見てきたように、IoT技術は製造業において、生産効率の向上、予測保全、省エネ、省人化の実現など、革新的な変化をもたらします。中小製造業社がIoTを上手く活用することで、競合他社との差別化や、顧客満足度の向上を実現することも可能です。

工場のIoT化は現在、非常に身近なDXのための手法となってきました。ぜひ、あなたの工場でも導入を検討してみてはいかがでしょうか

また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当。エンジニアとしてから製造業のシステム開発をメインに幅広く業務に従事。C言語、C++言語を使った組み込み開発やPHPやJavascriptを使ったWEB周りの開発が得意。社内の事例を他のエンジニアからヒアリングし、社外向けにシステム開発と製造業DXや工場管理についての情報発信を実施中

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