C言語によるシステム開発

皆さんこんにちは!㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当.Aです。今回は月2回の当社で実施している「製造業DX勉強会」で触れた「C言語によるシステム開発」についてお伝えしたいと思います。

目次

まだまだ利用されているC言語

C言語は古くからある言語ですが、まだまだ現役で使われており、当社でもロボットのためのプログラミングや組み込み開発といった、機械装置に直結する処理が必要な開発場面で活用しています。

C言語は、ベル研究所のデニス・リッチーによって、1972年に開発されたプログラミング言語です。C言語の「C」は、C言語よりも前に使われていた「B言語」を拡張させたという意味合いで、デニス・リッチーが命名したと言われています。

当時のC言語はUNIXというOSの開発に主に使用されました。UNIXが多くの大学や研究機関で使われたことで、同時に、C言語も広く使われるようになりました。

C言語の特徴

C言語は、高い処理能力により、現代のコンピューティング技術の基礎を築いた言語です。一般的には古い言語というイメージを持たれる言語ですが、今でも多くのシステムの開発に使用されています。

ここでC言語の特徴をざっと見てみましょう。

  • 処理速度の速さ: C言語は他のモダンなプログラミング言語に比べ、処理速度が速いという特徴があります。
  • メモリ消費の少なさ:C言語は、プログラマが直接メモリの使用や開放を行うことで、必要最低限のメモリ使用で開発することが可能です。
  • ハードウェアの操作: C言語はハードウェアを構成するハードディスク、メモリ、CPUなどの物理的な構成要素に直接アクセスし、操作することが可能です。一般的にはPython等のモダンなプログラミング言語がハードウェアの構成要素にアクセスするためには、直接アクセスできず、インターフェイスを介す必要があり、その分、処理速度が遅くなる、や、メモリを消費する、などが発生します
  • OSに依存しにくい:C言語は異なるOS間でコードの移植が容易と言われています。例えば、Linux用に開発されたプログラムは、最小限の変更かまたは全く変更せずに、WindowsOSで動かすことが可能です。しかし、実際のところはそれほど簡単な話ではないようです・・・
  • 習得難易度が高い:C言語は以上のような好ましい特徴を有する反面、習得が難しい言語と言われています。例えば、メモリの管理をプログラマー自身で行うことができる反面、そのためのメモリ管理に関する知識や技術が必要となります。

C言語が利用されるシステム開発

以上のような特徴から、現在でもC言語は特定の開発分野でなくてはならない言語となっています。特にC言語が利用されている分野は以下の通りです。

  • 組込みシステム: ソフトウェアシステムには、PC・スマホ・サーバーマシンなどにインストールし利用されるアプリケーションシステムと、家電製品、自動車の制御システム、ロボットなどに製造時にすでに組み込まれている組込みシステムの2つがあります。特に組込みシステムはメモリやハードディスクの使用量に制約がある中で稼働する必要があり、このような場面でC言語は必須の言語となっています。
  • オペレーティングシステム: C言語はハードウェアの構成要素(メモリ・ハードディスク・CPU等)に直接アクセスすることが可能な理由から、ハードウェアと密接に関連するLinux、Windows、UNIXなどのオペレーティングシステムの開発にも使用されています。
  • デバイスドライバー: プリンター・Wifiルーター・モニターなど、ハードウェアと直接通信するデバイスのためのプログラム(デバイスドライバー)の開発にも、C言語が使われます。
  • 高性能コンピューティング: 科学計算・データ解析・シミュレーションなど、高速に処理する必要のあるアプリケーションでも、C言語はしばしば使われます。
  • プログラミング言語を開発する言語: プログラミング言語も元を正せばプログラミングによって作られています。そして、多くの場合プログラミング言語の開発にはC言語が活用されています。例えばJava、Python、PHP、Rubyなどの言語もベースにC言語が利用されています。

当社のC言語によるシステム開発実績

当社は組込み開発を得意としています。そのため、WindowsやLinuxのドライバーの開発も手掛けており、ここでもC言語やC++を使っています。

例えばJavaなどの言語は、何かの処理をする場合、言語に付属するライブラリー(特定の機能を実装したコードの集まりで、)を呼び出すことが多いです。しかし、ドライバーの開発においては、必要最小限のメモリしか使えないため、一般的なライブラリーを呼び出すことができないことがよくあります。

この例のように、ドライバーなど、よりハード機器に近い開発を行う際は、使えるメモリも制限があり、また、高速に処理を実行する必要もあることから、C言語の方が有利に働きます。

また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当。エンジニアとしてから製造業のシステム開発をメインに幅広く業務に従事。C言語、C++言語を使った組み込み開発やPHPやJavascriptを使ったWEB周りの開発が得意。社内の事例を他のエンジニアからヒアリングし、社外向けにシステム開発と製造業DXや工場管理についての情報発信を実施中

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