DX成功のためのシステム開発と戦略
皆さんこんにちは!㈱スクラムソフトウェアの製造業DX担当.Aです。今回は月2回の当社で実施している「製造業DX勉強会」で触れた「DXのためのシステム開発」についてお伝えしたいと思います。
DXを成功させるためのソフトウェアについて
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を用いて企業活動を変革し、さらにその過程で新たな価値を作り出すプロセスのことです。そのため、単に既存の業務プロセスをデジタル化することを指すのではなく、ビッグデータ、AI、IoTなどの先進技術なども活用し、新たに製品・サービス・ビジネスモデルを作り替えることを指します。
このように、DXを成功させるためにはIT技術は欠かせない存在ですが、IT技術を導入する際に、多くの場合、経営者は次の2つの選択肢から重要な戦略の決定に迫られることがあります。
- DX戦略の選択肢1:パッケージソフトウェアを導入する
- DX戦略の選択肢2:システムをゼロベースから構築し導入する
本記事では2つの選択肢について、詳しく解説していきます。
DX成功のために導入されるパッケージソフトウェア導入例
企業のDX推進のためにしばしば導入されるパッケージソフトウェアの例です。
- サイボウズ:グループウェアという、チームの効率的なコミュニケーション、情報共有、作業進捗を管理するソフトウェアです。また、製作元は1997年に設立された日本の企業となります。同企業のkintoneという、ノーコードで業務システムやアプリを構築できるツールも人気です。公式サイト
- Salesforce: 顧客管理(CRM)を自動化するためのクラウドベースのプラットフォームで、企業のマーケティング活動と営業活動の効率化を図ります。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州にありますが、日本支社もあり、操作・導入・サポート等は日本語で可能です。公式サイト
- SAP ERP: 企業資源計画(ERP)という、財務、人事、製造、供給、調達といった企業活動のデータ統合や効率化を実現させるためのソリューションです。1972 年にドイツで創設された企業で、世界カ国で導入されています。SAP Jpanという日本支社もあり、操作・導入・サポート等は日本語で可能です。公式サイト
- Microsoft Dynamics 365: マイクロソフト社が提供する、顧客管理、財務管理、業務自動化などを提供するアプリケーションです。公式サイト
- Slack: チャットによりメンバー同士でコミュニケーションをとることのできるメッセージツールです。公式サイト
- Zoom: ビデオ会議とリモートコミュニケーションを提供するツールです。公式サイト
- GLOVIA:富士通が提供する製造業向け生産管理システム。生産管理データを会計、人事給与、就業、販売、貿易、生産等の基幹業務データと統合可能な、非常に高機能なパッケージソフトです。公式サイト
DX成功のためのシステム構築例
パッケージソフトウェアに対して、ゼロベースでシステムを構築することで、DXを実現させる企業も多くあります。以下は、DX化のためのシステム開発事例です。
- 業種に特化したオンライン予約システム: クリニック、オンラインレッスン、商談など、自社の特定のビジネスモデルに合わせ、ユーザーの利便性を追求した、自社独自の予約システム
- ECサイト(Electronic Commerce /Eコマース):自社の製品とブランドイメージにあった操作性とデザインを実現させた独自のECサイトの構築。
- 顧客ポータル: 自社の既存顧客の顧客満足度を向上させるために、専用設計の顧客ポータルサイトの構築。営業担当による属人的な顧客対応から、本部組織の一括管理によるアフターサービスや製品情報を提供。
- 在庫管理システム: 自社の製品やビジネスに合わせた、在庫の追跡と管理のためのシステム。
- CRM(Customer Relationship Management)システム: 自社独自で実施していた顧客サポートをシステム化することで、これまでのサポートの品質を下げずに、効率化するための顧客管理システムの構築
- 工場監視システム: 自社工場内のさまざまなメーカーの機械装置に設置した積層灯をセンサーにより監視するシステム。これにより24時間稼働する工場でも必要最小限の管理者により運営が可能になる。
パッケージとシステム構築のメリット・デメリット
また、DXのために導入するパッケージとゼロベースで行うシステム構築では、それぞれメリット・デメリットがあります。
パッケージソフトのメリット・デメリット
パッケージソフトのメリット
- 導入スピードの速さ: カスタム開発する場合に比べ、パッケージソフトは既製品のため多くの場合、短い期間で導入することが可能です。
- 信頼性: 既に多くの企業で導入されており、都度、不具合対応していることで信頼性は高いです。
- 継続的なアップデート: 定期的なアップデートが提供され、新機能が追加されることがあります(有料・無料の場合があり)
パッケージソフトウェアのデメリット
- 柔軟性の欠如: 特定のビジネスのやり方や慣習にマッチしないことが多々あります。
- 追加コスト: 自社のビジネスに合うようにカスタマイズや機能追加する場合、追加料金が発生することがあります。
- サポート等の変更:更新料金の値上げやサポート期間の終了など、使い続けるためには提供企業による一方的な変更に応じる必要があります。
システム開発のメリット・デメリット
ゼロベースからのシステム開発のメリット
- カスタマイズ性: 自社特有のビジネスモデルや商習慣に合致した開発が可能です。
- 追加コストの削減:初めから自社のビジネスモデルに合致した設計をしているため、導入後の機能追加等の必要性が低減されます。
- 競争優位性: 独自の機能やプロセスを実装することで、機能が最適化されるため、パッケージ製品に比べ競合に対する優位性は高まる傾向があります。
ゼロベースからのシステム開発のデメリット
- コスト増と開発期間の増大: 必要な機能を多く盛り込めば盛り込むほど開発コストと開発期間は増大します。
- システム開発業社の持つリスク: システム開発を依頼した業者によっては、財務面や技術面のリスクがあります。開発途中による財務面からの倒産や、技術面で開発不能などです。
- 維持管理: 自社もしくは開発依頼会社で、システムの運用・保守を担う必要があります。自社で担う場合は人的資源を費やす必要があり、システム依頼会社で担う場合は、コストが発生します。
当社の考えるDX成功のためのシステム構築の戦略的なポイント
当社では、主に中小企業向けのDXに関するシステム開発を多く行っていますが、特に戦略的な視点で重要なのが、データ活用だと感じています。単に、生産性の効率を上げるためにシステムを導入するのではなく、機材の稼働状況や人員配置や受発注データなど、日々の業務で生まれるデータを社内で蓄積することは、企業にとってとてもメリットがあるからです。
機材や人員の稼働状況をデータで蓄積することで、効率的な経営リソースの配置のための分析が可能となります。また、必要に応じて、人員の配置転換や機材の新規購入もデータに基づいて意思決定できます。
このような点からも、データ活用を会社の戦略的なポイントとして位置付け、データの蓄積を進めていくことが、今後のDX成功の鍵となると考えています。
また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。