システムを外注するメリットとデメリット
みなさん、こんにちは。スクラムソフトウェアの製造業DX担当のAです。
自社のビジネスにあったシステムの開発や導入は、多くの企業にとって、とっても重要な経営判断だったりしますよね。でも、システムをゼロから開発依頼するのは、コストや時間、人材などの面で、けっこうな負担になることもあります。そこで、今回は、システムを外注することを想定して、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか、いっしょに見ていきたいと思います!
製造業社で、システムを外注する場合のメリット
システムを外注するメリットとしては、ざっと以下のような点でしょう。
コスト削減できる
外注先が、地域の中小システム開発会社で製造関係で十分な知識や経験があるんであれば、意外と低コストで、高品質なシステムを作ることができたりします。
また、外注先にシステムの保守や運用も任せるれば、自社の人件費や設備費などの固定費も削減することができます。
時間が短縮できる
これも、外注先が地域の中小システム開発会社で、フットワークかるく打ち合わせや要望を聞いてくれるような会社だったら、システム開発は意外とスピーディーに運ぶことができ、実際に十分な品質のシステムを完成させることもできます。
もちろん、外注先にシステムのテストやデバッグなどの作業も任せることで、自社の業務に集中することができますね!
人材確保
どうしても、システム開発には、高度な技術や知識が必要になります。とは言っても、自社でシステム開発に携わる人材を採用や育成するのは、難しいですよね。そんな時に、システム開発を外注することで、外注先の人材を活用することができます。
製造業社におけるシステムを外注するデメリット
一方、システムを外注するデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
コミュニケーションが案外むずかしい
外注先と自社の間には、普段使う業界用語や企業文化、営業時間などの違いがある場合が多かれ少なかれあります。
このの違いがコミュニケーションのさまたげになって、システム要件の認識や進捗の報告などに、食い違いやボタンの掛け違いが生まれてしまうことも、残念ながら、ゼロではありません。
それと、外注先にシステムの要望、要件、思いを十分伝えることができなければ、自社の思った通りのシステムが作られないこともあります。
品質に不安がある
外注先のシステム開発の能力、信頼、専門スキルなどは、事前に自社で確認することができない場合があります。
特に、外注先がシステムの品質管理やセキュリティ対策などに十分な注意を払っていなければ、システムに不具合や脆弱性が発生する可能性があります。また、場合によっては、外注先がシステムの保守や運用までやってくれない、なんて場合もあります。
知的財産のリスク
外注先にシステムの開発を任せることで、自社のビジネスに関する重要な情報やノウハウが外部に漏れるリスクがあります。
外注先がシステムのコードやデータを不正に利用したり、第三者に提供したりすることがないか、きっちりと、契約や監査などで、ちくいち管理する必要がでてきます
以上のように、システムを外注するという選択肢には、メリットとデメリットがあります。
システムを外注する際のポイント
上で見たように、案外、システム開発を外注するにしても、気をつけないといけないことがあって、難しい点もあります。そこで、システム開発を外注する場合の、注意した方がいいポイントについて、当社の経験をもとに、ソフトウェア開発会社目線で、いくつか挙げてみたいと思います。
作りたいシステムの仕様をじっくり考えてみる
自社の要望やニーズがぼんやりとしていると、ぼんやりとした仕様しかつたえられませんよね。よいシステムを作るには外注先に正確に伝えることがとっても重要です。なので、作りたいシステムの仕様は曖昧なままにせず、ユーザー目線できっちりと、要望やニーズを明確にしましょう。
もちろん、システムの専門家でなくてもかまいませんし、専門用語を使う必要もありません。ユーザー目線で構いませんので、できるだけ具体的に、要望やニーズを明記できるようにしましょう。
費用だけで業者選定をしない
安いからといって、品質や信頼性の低いベンダーを選ぶと、後でトラブルになることがあります。特にそれが、零細企業だったら尚更です。ソフトウェア開発会社のの実績や技術力を確認し、適正な価格で契約することが大切です。場合によっては、信用調査をすることもいいかもしれません。それと、法人の場合は新しい会社よりも、10年以上実績のある会社の方が、安心できる場合が多いと思います。
外注先に全部丸投げしてはいけない
外注先に任せっきりにせず、自社もプロジェクトに関わり、コミュニケーションを取りながら進捗を確認することが、じつは、めちゃくちゃ重要だったりします。開発プロジェクトで、なんらかの問題が発生したとき、迅速に対応できるように、普段から、業者と連絡を取り、関係性を構築しておくことは結構重要ですね!
保守・運用までを見据える
システム開発だけでなく、保守・運用も外注先に依頼するかどうかを事前に決めておくことが重要です。
保守・運用を自社で行う場合は、外注先からシステムの詳細な仕様やドキュメントをもらえるように確認しておきましょう。業者によっては、ドキュメントを残さない場合もありますが、こんな業者はかなり危険です!
また、保守・運用を外注先に依頼する場合は、契約内容や費用を明確にしておいた方がいいですね!ここら辺も、開発が終わってから保守・運用を考えるんではなく、契約段階できちんとシステムを面倒見てもらえる業者であることを確認しながら、発注することが大切です!
当社が受注する際に気をつけているポイント
当社は、システム開発を受託する側の企業ですが、最後に当社が受託した後に、気をつけているポイントについて、ご紹介させていただきますね。
読者の方にもISOと言う言葉を聞いたことがある方もいると思います。これは、「国際標準化機構」と言う機関で、ビジネス面における製品やプロジェクトの品質管理などについて標準化している機構になります。ちょうど、日本におけるJISと役割が似ていますね。
このISOでは、システム開発についても、いくつかの品質管理のやり方を規定しており、当社はお客様とのやりとりで、このISOの基準に沿って実施するようにしています。
そして、特にお客様とのやりとりで重要になってくるのが、成果物のレビューです。以下は当社でも実施しているISOで規定しているレビューの実施方法になります。
ISO準拠のレビューの実施方法
ISOにおけるレビューの実施方法は、以下のステップとなります。
- 計画: レビューの目的、範囲、方法、参加者を定義します。
- 準備: レビューに必要な資料や情報を収集し、参加者がレビューを行うための準備をします。
- 実施: レビュー会議やセッションを開催し、資料やプロセスを評価します。
- 報告: レビューの結果を文書化し、関係者に報告します。
- フォローアップ: 必要な是正措置や改善措置を特定し、実施します。
このように、開発段階の各フェーズで、ISOではレビューの実施を規定しています。ちょっと多いように思うかも知れませんが、これらのレビュを実施することにより、開発プロジェクトの品質を向上させ、ユーザー側と開発側の意思疎通を図り、認識の違いを極力減らすことができるんですね!
これらのレビューは一般的な製造業におけるシステム開発でも役に立つと思います。ぜひ、御社でシステム開発を外注する際は、このレビューをプロジェクトに組み込んでみることを、おすすめします!
また、当社でも無料のIT相談もお受けし、開発のご依頼も全国にてお受けしております。お気軽に、ご相談ください。