組込み開発の依頼ポイント

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㈱スクラムソフトウェアで組込み開発のエンジニアをやっているうりうです。今回は、私の経験から、組込み開発依頼時に重要なポイントについてお話いたしと思います。

組み込み開発の委託は、企業にとって重要なプロジェクトの一環であり、成功するためには慎重な選択と準備が必要です。以下では、組み込み開発を依頼する際に考慮すべきポイントについて解説します。

目次

組込み開発を依頼する目的と要件を明確にする

これから組込み開発を依頼するにあたっては、まず初めに目的と要件を定義していきましょう。というのも、目的が明確でない場合、組込み開発のプロジェクト進行や最終的な組込み開発の成果物の評価が難しくなるためです。また組込み開発の要件についても、必要な機能・性能・制約条件を明確にし、依頼することで、不要な機能を付加せずにすみ、シンプルでスマートな組込み開発の発注が可能となります。ここでは、工場で使う機械装置の積層灯監視デバイスの開発を例に目的と要件を見ていきましょう。

例:積層灯監視デバイスの開発目的

工場の機械装置の状態の変化を素早く検知できるデバイスを開発したい、そのために組込み開発が必要。

例:積層灯監視デバイスの開発要件

1.必要な機能:積層灯を光センサーで監視する機能

2.使用ハード・デバイス類:積層灯、光センサー

3.入力データとその方法:光センサーからのデータ(様々な点滅パターンを含む)

4.出力データとその方法:社内にある既存の上位システムとのデータ連携。

5.導入時期:半年後

6.保守・運用:自社ではなく、開発事業者にある程度依頼したい

組込み開発企業の依頼先の選定

組込み開発を行っているソフトウェア企業は、一般的なシステム開発企業に比べ会社数も少なく、かつ、会社情報もそれほど広く知られているわけではありません。そのため、組込み開発企業の依頼先を選定する作業は、なかなか難しい作業となります。

もし、あなたの会社ですでにお付き合いがあったり、あるいはお付き合いのある企業にそのような伝手がある場合、その伝手を頼られるのが一番早いかもしれません。また、組込み開発の具体的な企業については次のブログでも紹介しているので、参考にしてください(後でリンク)

また、場合によっては、複数の組込み開発の依頼先から相見積もりをとることも重要です。組込み開発プロジェクトの目的と要件を依頼先に提出し、見積依頼をしてみましょう。

また、見積依頼の際に以下の5つの点を重点的に、組込み開発事業者を確認するようにしてください。

1.組込み開発会社の実績と信頼性

組込み開発会社としての実績について確認しましょう。組込み開発プロジェクトは発注元の機密情報に触れることが多く、インターネット上で情報を大々的に公開するケースは稀です。そのため、実績については実際に担当者と話してみないとわからない部分が多分にあります。実績については、過去の依頼元の具体的な会社名などは教えてもらえないかもしれませんが、組込み開発の製品等について、ぜひ詳しく聞いてみましょう。

2.組込み開発における保有技術と技術者の人数

また、その依頼先が、あなたの会社が必要とする組込み開発技術を保有しているかどうかも見定めるようにしましょう。例えば、今回のプロジェクトでは、振動のもつ加速度や変異などを測定するために振動センサーを用いる必要がある場合には、振動センサーについての組込み開発技術を保有しているのかにつ例に合わせる会話の中で見定めるようにしましょう。

また、組込み開発の受託をしている会社であっても、実際に組込み開発技術者は在籍しておらず、下請け会社に外注しているといったケースも多々あります。そのような場合は、一般的に、社内開発体制のある企業に比べ、

  • 納期が長くなる傾向がある
  • 発注金額が高くなる傾向にある
  • 仕様変更などに柔軟に対応してもらえない
  • 技術者と直接コミュニケーションをとる機会が少ない
  • 本番稼働後の急なトラブルへの対応が遅れる

などの傾向があります。

ここで重要な点は、組込み開発案件を下請けに発注すること自体が悪いことではないということではなく、その点もあらかじめ理解したうえで発注することが、重要な点となります。

3.組込み開発プロジェクトの発注金額

想定していた予算に比べて、提出された見積金額があまりに高くないか、見定める必要があります。また、あまりに低すぎる場合も要注意です。非常にまれなケースですが、その会社の経営の資金繰りが悪化している場合、経営者は目先の受注をどうしてもとっておきたいあまりに、相場とかけ離れた安い金額で受注することもあるので、注意が必要です。組込み開発の相場については、こちらでもご紹介しているので、参考にしてください。

4.パートナーとしての信頼性

パートナーとしてその会社と担当者が信頼できるのかについても重要なポイントです。もし、依頼先の企業が中小企業の場合は営業兼クライアント担当は社長が兼任することが多いでしょう。また、大企業の場合は営業マンがクライアント対応となることが一般的です。

クライアント担当があなたのパートナーとして信頼できるのか、話しにくくないか、言ったことを実際に実行してくれそうか、十分に見定めることが重要です。

5.組込み開発の進捗報告と仕様変更

実際にプロジェクトに入る前に、対クライアントに対して、どのような進捗報告を想定しているのか聞いてみましょう。また、組込み開発における仕様変更をどの程度許容できるのかについても事前に聞いておく必要があります。

ただし、仕様変更については、なんでも許容するというような事業者がいいとは限りません。仕様変更を際限なく許せば、納期も際限なく延びることになり、極端な話、依頼先の事業を圧迫することにもつながります。

そのため、仕様変更の可能性については「開発製品の中のこの部分については、○○から○○の間で変更する可能性がある、変更箇所の決定は○○までに確定させる」というように、仕様変更の可能性のある個所と期日について、あらかじめ決定しておき、あなたの会社と依頼先が事前に同意しておくことをお勧めします。

組込み開発の契約条件と法的事項の明確化

組込み開発プロジェクトを依頼する際は、契約条件と法的事項の明確化も行うようにしましょう。特にフリーランスや個人事業主などは、開発案件について契約書を結ばず、見積書・発注書・請求書のみで業務を進めることがあります。

しかし、組込み開発プロジェクトは長期間にわたる案件であり、途中で予期せぬ事態に見舞われる可能性もあります。そのため、開発のスケジュール、費用、保証、知的財産権などの条件を契約書に明記し、双方の権利と義務を明確にすることが必要です。

また、法的な観点からも適切な手続きを行い、リスクや法的問題を最小限に抑えることが重要です。

まとめ

以上が、組込み開発プロジェクトを依頼する際のポイントとなります。一般的なシステム開発に比べ、組込み開発は公開されている情報も少なく、発注する際も難題が多いですが、ここで解説したポイントを踏まえて、事前に十分な準備を行い、依頼を進めていただければと思います。

ちなみに、当社では組込み開発を始め、様々なシステム開発の相談、設計、実装を全国対応で行なっています。無料相談も実施していますので、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

㈱スクラムソフトウェアの組込み開発エンジニア。開発チームの若手リーダーとして、開発案件の遂行と社内での技術導入の推進を行っています。

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